
京都では住所を説明する際、非常に特殊な表現をします。初めて耳にする人にとっては、何とも不思議な表現で、戸惑うことがあるかもしれません。というのも、住所の中に「北へ上がる、南へ下がる、東入る(いる)、西入る(いる)」といった表現が含まれているからです。「上がる」とは、決してどこか高いところへ上ることではありません。「下がる」というのも階段を下りるようなことではなく、「入る」も何処かに入るといったことではありません。
これは、京都における東西南北の方向感覚を認知することで、すぐに理解することができます。具体的には、「北へ上がる」とは「北へ行く」ということ、「南へ下がる」とは「南へ行く」ということ、「東入る」は「東へ行く」こと、「西入る」は「西へ行く」ことを指しています。こういった表現は、古都京都で古来から使われていた言い回しとして、今も尚、根強く残っているものなのです。ただし、こういった表現は京都の中心部でのみ使用されているのであって、その地域を除いた日本人が耳にしても意味が通らず、間違いではないかと再度確かめてしまう程です。また同じ京都内であっても、中心部から少し離れると、「北」に「上がる」とはいいません。もしあなたが、京都を訪れることがあり住所を探したいときには、まず頭の中で、その方向に関する表現をはっきりと把握してから、道を尋ねて下さい。きっとすぐに、目的地へ辿り着くことが出来るでしょう。
上ル、下ル等の表現は、京都特有の住所の示し方です。